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「宗祖ゾロアスター」 前田耕作 ちくま学芸文庫 [文化人類学]

ゾロアスター教とか拝火教などと呼ばれている宗教の祖に関する本です。

仏教やキリスト教、近くはニーチェ等、ひょんな所でこの宗教の影が見えるが、私にはイメージを掴むことも出来ない謎でした。 先日、偶然に書店でこの本を見た時、巡り合わせの不思議を感じました。 この本は私にとって神学、文化史の素晴らしい入門書です。

これによってゾロアスターやその宗教が理解出来るということは全然無かったですが、古代のペルシャ、ギリシャ、中国などへの影響に興味が益々湧いてきました。

特にバクトリア王国の歴史はもっと調べてみたいです。 ズビン・メータがパールシー(ゾロアスター)教徒の誇りであることは吃驚しました。 ムンバイ(ボンベイ)、カラチ、クエッタなどで今日でも生ける宗教として信仰が続いているということで、いつか訪ねてみたいと思います。


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「中華中毒」 村松伸 ちくま学芸文庫 [文化人類学]

中国の歴史、文化を空間として解析するという、とても面白い視点で書かれています。
著者が北京留学をきっかけに、中国全土、ソウル、沖縄、ベトナムをフィールドワークした1980年代半ばから90年代後半までの貴重な記録です。

建築、都市工学に詳しいのは当然(東京大学建築学科博士課程終了、工学博士)としても、その背景に関する博識、情熱に圧倒されます。

どの章も興味深く、著者のエネルギッシュな青春時代を彷彿とさせますが、「朝顔一輪咲かせたい」の章で著者はこの時代に別れ告げます。


タグ:中国
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「山下洋輔 風雲ジャズ帖」 平凡社ライブラリー [音楽]

この本も前回の「高橋悠治 コレクション1970年代」 平凡社ライブラリーと 時代が重なります。
今回はJazzです。 Jazz(ジャンル分けって一見便利な様で、ちょっと中に入ろうとすると邪魔) といっても彼はちょっと変わっていますが・・・。

今回、演奏はさて置き、本の話。
真面目そうに書かれたことが結構いい加減で、いい加減に書かれたことが 結構真面目という面白い本です。 第一章が「ブルー・ノート研究」です。

和声、旋律を学術的に述べていますが、実はいい加減です。
昔、L・バーンスタインはスワヒリの部族は1/4音(クォータートーン)を歌えると言ってブルー・ノートの説明をしていましたが、私はこれも違うと思います。 旋律、和声を平均律で機能的に解釈しようとするから間違えるので、唄の初めに平均律なんか有る訳ないと思います。

民謡や演歌のこぶしと似たようなものと考えた方が良いのでは・・・。 そう、話は逸れますが、外れた音程やリズムって結構味が有って心に染みる場合が有りますよね・・・・?

学生の頃、トラ(臨時雇い)で埼玉県春日部のキャバレーで村田英雄の伴奏をしたことが有ります。
音程、リズム、テンポ本当にがたがたに崩してくれます(ギャラはとても良かった)。
始めはこれでもプロかと吃驚しましたが、彼のは歌ではなく語りなのだと気付いたら、その世界に入れました(良かった)。 話を戻して、本の後の章は、いい加減に書かれたことが結構真面目、 という中身の濃い(?)本です。


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「高橋悠治 コレクション1970年代」 平凡社ライブラリー [音楽]

先日、C.クライバーが亡くなったという新聞記事で見ましたが、 二人共とても好きな音楽家です(対照的なのですが)。

今回は高橋悠治のことを書きます。
この本が書かれた頃、私は音楽に夢中になって、いろいろな曲を聴いたり 演奏したりしていたのですが、その内、音楽関係の評論や解説も読むようになりました。

音楽の専門家は技術論を、評論家は精神論を書くことに徐々に違和感を持ち始めた時、この本にも入っている 「小林秀雄『モオツァルト』読書ノート」を読んで共感しました。

本の第三章は「音楽」を作曲、演奏論から抵抗運動として提唱している。 優れた文学者が、必ずしも正しく音楽を評論していないと批判した人が、 同じような轍を踏むことにならなければと、やや危惧します。
余談ですが、彼のサティーとバッハのピアノ演奏は大好きです。


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